AI(人工知能)を使って小説を書いてみた
文:ぱず(@28novel_paz / Twitter)
人間の技術は日進月歩。
中には、ちょっと引くくらいすごいものもある。
私は先ほど、現代のAIでどれくらいの小説が書けるのだろうかと試してみた。(使用したツールは「AIのべりすと」)
そして、驚いた。
論より証拠。
まずは見ていただきたい。
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曲がりくねった道を進む。
山は苦手だ。
虫は多いし、夏場は地獄のように暑い。
頬をつたう汗の量が尋常じゃない。
僕は無言でポケットからハンカチを取り出して顔を拭いた。
そしてまた歩き出す。
――もうすぐ頂上だなあ。
そんなことを考えながら歩いていると、前方に見慣れた姿が見えた。
「お前、歩くの速いって」
僕は親友の啓介に声をかける。
啓介は僕のほうを振り返ると、爽やかな笑顔を見せた。
「ごめん、ごめん。つい夢中になっちゃってさ」
そう言って頭を掻く。
僕たちは登山部に所属している。
といっても部員は僕ら二人しかいないけど。
今日も二人で近所の藻手場山(もてばやま)に来ている。
この山には何度登ったか分からない。
だが、何度登っても新しい発見があるから面白い。
それに今年に入ってからというもの、毎日が楽しかった。
それはきっと啓介のおかげだろう。
彼はいつも前向きで明るい性格をしている。
誰にでも好かれるタイプだし、顔だって悪くない。
それなのに何故モテないかというと……。
甲高い声のせいだと思われる。
彼はとにかく声が高いのだ。
女性並み、十代前半の少女並み、いやそれ以上の高さだ。
啓介が電話に出ると、受話器の向こうの相手は必ず幼い女の子だと勘違いしてしまうくらいである。
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黒文字が私が書いた文章。
青文字がAIが作った文章である。
私が思いつきで適当に入力した文章に、続きを付け足してくれている。
交互に文章を書いたのだ。
私が書いた文章に合わせてAIが続きを書き、それに違和感がないような続きを私が書く。これを繰り返した。
よく読むと、AIが作った部分には多少違和感が否めない。
私は「山は苦手だ」と入力したにもかかわらず、なぜか登山部設定になっている。
さらには、私が山の楽しさについてAIに続きを促すと、啓介がモテるモテないの話になってしまっている。この辺りは、ラノベを意識した作りになっているのかもしれない。
まあ、細かいことはいい。
これをAIが作ったというのだから驚かずにはいられない。
うーん。このまま技術が進むとなると、あと十年も経てば九割以上の素人作家はお役御免かもね。
ひと昔前、「芸術分野はAIに仕事を奪われにくい」という話があったが、どうやら雲行きが怪しく思えてきた。
ちなみに、さらに続きを書いてもらおうとしたけれど、「(これ以上は)ログインをお願いします」と言われてしまった。
ちっ、会員登録が必要なのか。
続きが読みたかったな。
超ソプラノボイスにされた啓介のことをもっと知りたかったよ。
ともかく、これは登録する価値があるかもね。(次回使用する際は、ふざけまくってみたい。コメディにどれだけ対応できるのかを見てみたい)
現段階では、即戦力は期待できないというのが私の率直な感想だ。
私はまだ使わない。だが、数年後は分からない。
AIの力を借りている未来はあるのではないかと思えた。
私もAIに負けないように頑張らないとね。
AI小説のつづき。