AI小説の驚異
文:ぱず(@28novel_paz / Twitter)
ここにも書いたけど、最近はAIが小説を書いてくれる時代になっている。
別のAIツールはどうなんだろう、もっとすごかったりして、ということで試してみた。
今回利用したツールでは前回のものと違い、ジャンル設定やキーワード設定という欄があった。
ジャンル設定は、私の得意分野である「ホラー」を選択。
キーワード設定は、無難なところで「都市伝説」と入力してみた。
あらすじも設定できるということで、私はこう入力した。
「大学生の四人グループが、心霊スポットとして有名な廃病院へと向かった。大学生グループは、そこで大暴れ。結果として呪われてしまう」
いよいよAIが文章を作ってくれる。
あらすじ生成というらしい(あらすじはすでに私が入力しているのに、という野暮なことは言わない)。私はワクワクしながら、実行ボタンを押した。
そして、出来上がったのがこれだ。
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「とある廃墟の日常」(タイトル)
廃病院で呪いが産まれたのだ!俺達はタイムカプセル便に閉じ込められたようだな。元旦から一月四日のタイムカプセル便に乗り遅れるなんて、最悪だ。呪われるぞ、死ぬぞ〜、俺達はもう死んでるんだ。これは呪われた日だ。「俺、誕生日だったんだよ」「僕、あの日あそこにいたんだ」(あらすじ)
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おい、マジか。
なんだか、芸術が爆発してないか。
コメディとしてなら面白いかな。いや、コメディだとしても、いろいろ飛び道具すぎるよね。
どう解釈したらいいのか。
まず、「タイムカプセル便」って何?
私が言葉を知らないだけかと思って、Google先生に尋ねてみるもGoogle先生も知らない言葉だった。
なんなんですか、タイムカプセル便って。教えてくださいAI先生。お正月に乗る乗り物だということは想像できたけど。
どうやら、それに乗りこまないと呪われるそうで。
もしそれが本当なら、日本国民は全員呪われてるな。いや、私が知らないだけで、日本のみんなは、お正月になるとウキウキしながらタイムカプセル便に乗り込んでいるのだろうか。
乗っていないのは、私だけだったりして。だとしたら、私は呪われるな。呪われた先は、死ぬらしい。
しかも、すでに死んでいるという「北斗の拳」みたいなワードまで飛び出してきた。タイムカプセル便に乗れなかった人は、すでに死んでるってことか。
あの世に向かう列車ってことかな。いや違うか。乗れなかった人が死ぬわけだから、この世へ向かう列車か。設定が、難解すぎるよ。
そして、衝撃のラスト。語り手の誕生日が今日だったという。なんてオチだ。
うーん、すごいね。
ある意味ですごいけど、決して馬鹿にすることはできないというのが、私の感想。
現段階では支離滅裂ではあるけど、人間には考えられないくらい突飛な内容だよね。
異常と言えるまでに突飛であることが恐ろしい。
近い将来、人間には到底考えられないような突飛で素晴らしいアイデアを生み出しそうで怖い。
そういう意味ではホラーだ。
ああ。そういうことか。AIは私が人工知能に対して恐怖を抱くように計算し、物語を生成したのか。
もしもそうだとしたら、天才だ。